【留学形態別】”語学学校”での留学を選ぶメリット/デメリット

はじめに

英語学習者のみなさん
こんにちは

このサイトに来てくださるみなさんの中には留学を考えている人も少なくないと思います。
一口に留学と言っても、多くの種類が存在します。
代表的なのは
・語学学校
・4年制大学(正規留学)
・ワーホリ
もちろんこれだけではなく、バリスタ留学、ボランティア留学に代表されるような「アクティビティ留学」もかなり増えてきています。

そんな中でどういう留学にしようかな…と留学形態に迷う方もいらっしゃると思います。

「留学形態別シリーズ」はそんな皆さんの悩みを解決するコンテンツになっていますので、ぜひ読んでみてください。
そして当記事は、”語学学校”留学についてになります。

語学学校とは

語学学校とはその名の通り、他の母国語を持つ人たちが、別の語学(英語)を学ぶための施設です。

英語留学先にはどこにでも存在し、基本的にビギナーから入ることができるため多くの留学生が語学学校で英語を学んでいます。

語学学校にも2種類存在し、私立の語学学校と大学付属の語学学校(語学センターという方が適している気がします)が存在します。

私立の語学学校は学校のルールが非常に緩い~かなり厳しい所まで幅があり、学習時間もバリエーションがあるため、自分に合った学校を選びやすい点が特徴です。

大学付属の語学学校は、大学の敷地内(例外あり)にあることにより、正規の大学生たちと同じように大学の施設を使用できたり、アクティビティに参加できたりすることが特徴です。

いずれにせよ別の母国語を持つ人達と一緒に学ぶわけですが、大学付属の語学学校の人たちは卒業後にそのまま大学に加入する人が多いため、モチベーションが高い傾向にあります。

留学費用

語学留学は大学の正規留学よりも費用が抑えられる

大学の正規留学(以下、大学留学という)の場合、コミュニティ・カレッジ(アメリカの2年制大学)でも卒業するのに2年はかかります。期間が長いほど生活費がかかりますし、大学は語学学校よりも学費が高額です。

一方で語学留学の場合、渡航タイミングと期間を予算に合わせて決めることができます。英語圏の語学留学というと、渡航先はイギリス、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドというイメージが強いですが、最近では低予算で留学したいというニーズに応えて様々な国や地域に留学できるプログラムがあります。

低予算で行けるおすすめの留学先はフィリピンです。その理由は教師の質と物価の安さです。一昔前であれば、アジアに英語留学に行くという発想が驚かれそうですが、フィリピンの公用語のひとつは英語です。フィリピンでは小学校3年生から国語と歴史以外の全ての授業を英語で受けるので、英語講師全体のレベルが非常に高いです。アジアで英語が公用語となっているのはインド、シンガポール、フィリピンの3カ国ですがその中で最も訛りが少ないといわれています。2019年のTOEFLスコアの国別順位(2021年9月現在の最新データ)では、フィリピンが5位で日本は26位なのでその英語力の高さがうかがえます。

もうひとつの魅力は物価で、フィリピンは日本の約3分の1といわれています。現地で散財さえしなければ、イギリス留学の半分程度にまで費用を抑えることが可能です。渡航時期にもよりますが、「イギリスで1ヶ月留学」と「フィリピンで2ヶ月留学」の費用があまり変わらないのであれば、フィリピンでできるだけ長く良質な英語に浸かるのはいかがでしょうか。

また、フィリピンは欧米に比べると日本から近く、時差も少ないので短期留学がしやすいです。中には最短3日間という超短期プログラムも存在します。

語学留学はワーキングホリデーよりも費用がかかる

ワーキングホリデーは、現地で休暇を楽しみながら働くことができる制度です。

現地で働いて滞在中の生活費を補うことができます。
しかし基本的にどの国も人数の枠が決まっているため、毎年人気のイギリスは抽選制となっており、絶対に希望する国へ行けるとは限らない点は注意が必要です。

語学留学の場合もちろん抽選ではないので、特定の時期に絶対にイギリスに渡航したい場合は、語学留学の方が確実です。

2021年現在、語学学校に通いながらのアルバイトはイギリスとオーストラリアで可能です。

また、イギリスは週10時間、オーストラリアでは週20時間までという制限があることに注意が必要です。
2カ国とも、世界各国から来たワーキングホリデービザ保有者や、英語が流暢な正規留学生達もアルバイトを探しているので、競争率が高い事は留意した方が良さそうです。

アメリカやカナダ、フィリピンなど、語学留学生が就労出来ない国も多いので、良い意味で語学留学は英語の勉強だけに集中できる期間ともいえます。

学習内容

語学留学は英語だけを集中して学べる

語学留学は、留学生のための学校で論理的に英語を学び、英語漬けの生活をしながら効率良く語学力アップを目指せる事が最大の特徴です。

一般的に英語学校で受けるメインの授業は「ライティング」、「リーディング」、「リスニング」、「スピーキング」の4科目ですが、語学学校には、現地の大学へ進学することを目標としている学生が多く在籍しています。
その為、中には「大学受験対策」クラスを設けている学校もあります。英語圏の大学を受験する場合、英語力の証明としてTOEFL、又はIETLSのスコアの提出が必要です。

大学によってはどちらのスコアが必要か指定している場合がある為、受験する大学が指定するテストの受験対策クラスを履修すると良いでしょう。

ちなみに北米(アメリカ、カナダ)では、特定の語学学校の上級クラスを卒業すると、TOEFL免除で提携大学に進学できるという裏技が存在します。

スコアを上げる為に何度もTOEFLを受験したり、TOEFL対策の勉強自体が一切不要ということです。
その分語学学校の授業に集中できるので非常に効率が良いです。

語学留学と北米大学への進学の両方に興味がある方は、是非TOEFLが免除になる語学学校を検討してみてください。

大学留学に関しては、英語を学びに行くというより、英語で特定の分野を学ぶ事が特徴です。

数学や歴史などの科目を英語で履修する点が語学留学とは大きく異なります。
英語科目は現地の学生が母国語として受ける授業なので、必然的に難易度が高くなります。

ワーキングホリデーは職場で実践英語を学ぶことができます。

しかし必ず働ける保証はなく、1年間仕事が見つからなかったという人もいます。
そのため、最初の数カ月は語学学校に通い、ある程度レベルを上げてからアルバイトを始める方は多いです。

実は、語学学校では「論文のテクニック」も学ぶ

前述の通り、語学留学では「論理的に英語」を学び、大学留学では「英語で特定分野」を学び、ワーキングホリデーでは職場で「実践的な英語」を学ぶことができます。
全体的に英語力が上がるだけでなく、特定の分野の英語に詳しくなるのは大学留学です。接客などで使える英会話を学べるのはワーキングホリデーと言えます。

では、語学学校では文法や発音以外に何か学べるのかというと、それはずばり、「論文の書き方」です。

語学留学は、単に英語の文法、単語、発音などを学ぶというイメージを持たれがちですが、実は上級クラスになると英語圏特有の論文テクニックも学びます。
なぜなら語学学校に通う上級クラスの学生たちのほとんどは、次のステップとして現地の大学への進学を目標としているからです。

意外と知られていないのですが、論文の書き方の習得は英語圏の大学で生き残るには非常に重要で、正しい型やルールを知らないと最悪単位を落とすことになりかねません。
英語圏の大学では、単に論文を大量に読み漁るだけでなく、自分自身でも書けなければなりません。書き方を知らずに大学に進学すると、4年間かなり苦労します。

ちなみに筆者が進学したアメリカの総合大学では、留学生が必ず受けなければならない論文の試験がありました。
制限時間は1時間、課題はその場で出され、1度も合格しない学生は、たとえ卒業単位が足りていても卒業させてもらえないという非常に重要な試験でした。

筆者は、大学で通用する論文の型やルールを語学学校で学んでいたため、無事一発で合格することができましたが、語学学校に通わずに大学に進学した留学生の友人は授業も全員追試を受けていました。

このように、事前に語学学校の上級クラスで論文の書き方を習得していれば、4年間の大学生活はだいぶスムーズになります。

英語圏の大学へ進むことを検討している方は、短期間でも良いので語学学校の上級クラスに通ってみることをおすすめします。俗にいう「急がば回れ」です。

自由時間

自由に使える時間が多い

大学留学の場合、プレゼンの準備や試験勉強などやることが盛り沢山で自由時間は少ない傾向があります。
筆者の周りでも、勉強量の多さについて行けず中退して帰国した留学生がいました。

それに対して語学留学は、学校に通いつつ観光も存分に楽しめます。

語学留学は、カリキュラムが学校によって多岐に渡り、例えば学校でみっちり勉強したい方は「終日クラス」、午後は観光を楽しみたい方は「午前クラス」、朝が苦手という方は「午後クラス」というコースも存在するので、自分の好みに合わせて国と学校を選択可能です。

同じ国でも、学校や地域によって特徴があるのでじっくり下調べをして学校を選ぶことをおすすめします。

筆者はアメリカのニューヨーク州とカリフォルニア州の学校で勉強したことがあるのですが、同じ系列の学校でも勉強量にかなり差がありました。
ニューヨークの方は大学附属の語学学校で、大学にもうすぐ進学予定の学生しかいないクラスに入ってしまい、宿題が多すぎてヒィヒィ言いながら勉強した記憶があります。

一方、カリフォルニアでは、温暖な気候のせいか学校全体がのんびりしていて、宿題も少なかったです。

映画産業が栄えている地域ということもあって、教室を暗くしてみんなで映画を楽しむ授業もよくありました。
このように、自分に合う地域、学校、コースを選択することで、自由時間の調整が利きやすいことが語学留学のメリットのひとつと言えます。

ワーキングホリデーの場合も、仕事の都合がつけば自由に旅行や観光を楽しむ事ができます。就労状況などで個人差はありますが、自由時間に関しては語学学校では大きな差はありません。

渡航前に挑戦したい事を決められる

先程大学留学生は自由時間が少ないと述べましたが、期末試験が終わった後には長い休みがあり、その都度計画を立てて観光を楽しんだり、近隣の国へ旅行する学生は多いです。

語学留学に関して言うと、最近では単に英語を学びに行くのではなく、英語×プログラミングを学ぶフィジー留学、英語×ダイビング資格を取るハワイ留学、英語×牧場で暮らすニュージーランド留学など、英語+αの制度が増えています。

このように、渡航前にプログラムを選択して現地に着いたらすぐに好きなこと、興味があることに挑戦しやすいのも語学留学の特徴です。

この点はワーキングホリデーも共通して言えます。

留学エージェントに依頼して事前に予約してしたアクティビティであれば、インストラクターの方々も留学生を教えることに慣れています。

現地に着いてから英語で興味があるアクティビティを探して申し込むのはハードルが高くなるので、短期留学の場合は特に語学学校やワーキングホリデーとセットになったプログラムに申し込むと良いかもしれません。

大学に進学できる程の英語力はないけれど、現地で学生として学びながら旅行や趣味も楽しみたい!という方は語学留学がおすすめです。

人との交流

多種多様な人種との交流

現地の語学学校は全員が外国から来た留学生のため、一気に世界各国の友人を作れます。
ですので大学留学よりも語学留学の方が、すぐに多種多様な人種の友人が作れるかもしれません。

同じクラスだと英語のレベルも近いので、自分の英語力に引け目を感じる必要もありませんし、お互いに教えあったり、一緒にカフェで勉強するなどして親交を深めることができます。
学校によっては寮に住むことも可能です。基本ルームメイトも語学学校の生徒で、国籍が被らないように調整する場合が多いので、外国から来た留学生と同じ部屋で過ごすことで仲良くなることもあります。

語学留学で得るものは、英語力、そして世界中に友人ができることと言っても過言ではありません。

語学学校の注意点としては、日本人留学生の比率が高い語学学校があることです。

英語に自信がない時にクラスメートに日本人が多いと、どうしても日本人だけで交流してしまいがちです。
できるだけ日本語を話さずに英語で生活したい!という方は、日本人留学生率が低い語学学校を事前に調べてみるといいと思います。
ちなみに日本人は短期留学生が比較的多い為、上級クラスになればなるほど日本人が少ない傾向にあります。

大学留学の場合、大都市にある大規模な大学であれば各国からの留学生が多いため、多国籍なネットワークが作れますがその一方で、地方の小規模な大学になると留学生は少ない傾向があります。

ワーキングホリデーは職場にある程度依存します。
一番定番の日本食レストランで働く場合、従業員がほとんど日本人です。多国籍のネットワークを作りたい場合は、日本語を使わない職場を探したり、地元のイベントに積極的に参加する必要があります。

ネイティブとの交流

語学学校は一度触れたように、非ネイティブスピーカーのクラスメートが交流の大部分を占めます。
その為ネイティブスピーカーとの交流は大学留学の方が多い傾向にあるのは間違いないでしょう。

しかし、語学留学でもネイティブスピーカーと話す機会を増やして英語力を上げる方法はたくさんあります。

具体例のひとつは、滞在先をホームステイ、又はファームステイにすることです。
特におすすめは、小さな子どもがいる家庭でのホームステイです。
毎日、無邪気な子供たちが比較的簡単な単語でたくさん話しかけてくれるので、リスニングとスピーキングの練習になります。

発音が悪かったり文法が間違っていれば、大人よりも正直に指摘してくれる小さな先生となってくれます。
また、ホームステイ先に子どもがいると行事が多いので、人と交流する機会も増えます。
現地の小学校の発表会や盛大な誕生日会、本場のクリスマスの朝など、日本では味わえない貴重な体験と現地の人との交流は、一生の思い出になるはずです。

一方で大学留学の場合はクラスメートのほとんどがネイティブスピーカーなので接する機会が多いのが特徴です。

クラスでディスカッションしたり、チームを組んでプレゼンを発表することが頻繁にあるので、むしろアカデミックな交流は避けて通れません。

ワーキングホリデーの場合は前述した通り、職場次第としか言えません。
日本語を使わない職場で働くことでネイティブスピーカーと交流をする機会が増えます。

さいごに

いかがだったでしょうか?

語学学校はビギナーの方から入学可能なので、それによるメリットデメリットがはっきりしていますが、イメージをつけることはできましたでしょうか?

多くの留学経験者が語学学校で英語を学んできたので、調べれば情報もすぐ出てきます。

選択肢の多い留学形態になりますので、しっかりリサーチを繰り返して最高の留学にしてくださいね。